OBC 奉行シリーズ インボイス・電子帳簿保存法(電帳法)対応 かんたんガイド
2023年11月20日更新
インボイス制度・電子帳簿保存法の二大改正を踏まえてシステム投資を行う時に、考えることが多すぎて選びきれない。
細かい法律の話はともかく、結局どうすればいいのか。ここでは既に奉行ユーザーである方を念頭に、なるべくシンプルにご案内します。
本ページは、OAP/OBC認定販売店である当社・ミモザ情報システムが公開しております。
このページの目次
二大法改正対応のポイント
インボイス制度対応(2023年10月~)
インボイスを(1)発行する/(2)受け取るの2軸で検討します。
(1)インボイスを発行する
- インボイス制度に定められた様式に則って請求書等を発行する必要があります。
- 現在の請求書発行システムで制度要件に対応できるかを確認します。
(2)インボイスを受領する
- インボイスと非インボイスを区分して経理処理する必要があります。
- 現在の会計システム/仕入管理システムが区分経理処理に対応していることを確認します。
さらに詳細を確認されたい場合は下記をご参照ください。
電子帳簿保存法対応(2024年1月~)
電子取引における証憑(電子データで受け取った請求書等)は電子データのままで保管することが義務化されます。
単に経理担当者のパソコンにデータを保存すれば良いのではなく、法により定められた保存要件に則ったデータ保管体制を構築する必要がありますが、これを(1)システムで効率的に処理する/(2)人の手で乗り越える の2軸で検討します。
(1)システムで効率的に処理する
- 会計システムの仕訳伝票に証憑データを添付して一元管理し、すぐに呼び出せるようにする
- システムに保存するだけで、法により定められた保存要件を全て満たすことができる
- 伝票/証憑の枚数=営業拠点や取引が多いお客様におすすめ
(2)人の手で乗り越える
- 証憑データの管理規程(事務処理規程)を策定し、周知徹底する
- 証憑データの管理環境(設備)は自ら準備し、適切にバックアップを行う
- 伝票/証憑の枚数=営業拠点や取引が少ないお客様におすすめ
さらに詳細を確認されたい場合は下記をご参照ください。
システム選択/投資のポイント
インボイス制度対応(2023年10月~)
【結論】奉行ユーザー様は、基本的に保守の範囲内で対応できます。
現在利用している奉行シリーズが保守切れ/サポート終了製品でない限り、新たなシステム投資は不要です。
一方、インボイス受領時の処理はシステムで解決できることは少なく、担当者の業務手順を確立させることが重要です。
(1)インボイスを発行する
<対応システム>
従来の奉行シリーズにて、「適格請求書発行事業者登録番号」を印字すること、および消費税額を税率単位で個別に記載することなど、制度で定められた要件を満たすインボイスを発行できます。
また、従来のサプライ用品はそのままインボイスとしてご利用になれます。
(2)インボイスを受領する
<対応システム>
伝票起票時には、「受領した請求書がインボイスに該当するか」を担当者が判断する必要があります。
奉行上では、得意先・取引先ごとに「適格請求書発行事業者登録番号」を登録することで、システム上で簡単に資格有無のチェックを行うことができます。
インボイスの適格性の判断は、税率毎の税額や適格請求書発行事業者登録番号の有無など、原則目視に頼ることになります。購買や調達、営業など、社内でも関係者には幅広く周知しておく必要があります。
総じて、インボイス受領時においてはシステムで対応できる範囲は限定的です。インボイスの適格性判断や、それに基づいて適切に起票することなどは「担当者の新たな業務」として実施していくこととなります。
電子帳簿保存法対応(2024年1月~)
【結論】電帳法対応に「これで絶対間違いない」という回答はありません
- お客様ごとの状況や事情によって、正解は変わります。
システム投資は、業務負荷とコストのバランスで決めることになります
お金をかければ良いというものではなく、自社の業務削減量と必要なコストを天秤にかける必要があります。 - 将来のことも考慮に入れるべきです
特に補助金を利用するならば、初期投資が大きくなっても国費で補助されるので、将来的に利便性が高まるシステムを選択しておく方が有利です。
(1)システムで効率的に処理する
<対応システム>
電子帳簿保存法に定められた要件は複雑で、単に自分のパソコンに証憑データを保存するだけでは満たせません。
電帳法対応されたシステムを導入してシステムに保管するだけで、こうした対応にかかる手間や労力、自己流の対応によって税務調査で不備が発覚するリスクなどを一切排除できます。
(2)人の手で乗り越える
- 事務処理規程、および具体的なファイル名規則などの業務手順を整備する
- 証憑データの保管場所を用意し、万一のバックアップ体制を整える
- 法に定められた検索要件を満たすため、ファイルの索引簿を作成する
- これらを全社員に周知徹底する
システムを入れずに対応できるか否は即ち、電子データで送られてくる証憑データを全社あまねく収集し、決めたルールでファイル名を付与し、決めた場所に漏れなく保管する体制を作り、運用しきれるか否かの判断です。
手作業で実現可能な範囲は、担当者の人数にもより一概には言えませんが、社員数20名程度/電子データによる証憑受領が月間100件程度までが限度ではないかと存じます。
それを超える場合、かかる手間暇(=人件費)を考えるとシステム化してしまった方が全体の効率は高まります。
一方、売上高が5,000万円以下の場合は、データ保管の要件が大きく緩和されました。この規模であれば、検索要件のルールも大きく緩和されていますので、人手での対応も現実的です。
→ OBC 奉行シリーズの改正電子帳簿保存法(電帳法)対応について を参照
当社がおすすめする解決策
インボイス制度対応(2023年10月~)
OMSS未加入の場合は、一刻も早く再加入を
バージョンアップ/買い直しの際は、必ずOMSSへ加入してください
保守切れ製品では制度対応ができません。
請求書を発行する「商奉行」、仕入管理を行う「蔵奉行」に関しては、OMSS加入や最新のi11シリーズへのバージョンアップをお願いします。
また、勘定奉行(会計システム)のバージョンアップや買い直しの際は、電子帳簿保存法への対応も考えると「勘定奉行クラウド」を軸に移行をご検討ください。
電子帳簿保存法対応(2024年1月~)
これまで勘定奉行i10/i11を利用してきた方も含め、「勘定奉行クラウド」への移行をおすすめしています
仕事が増えてもマンパワーは増やせない、あるいは規程やファイル保存のルールなど、細かいことをいちいち考える余裕がない現場にこそ、奉行クラウドを強くお勧めします。
費用面でも、従来のオンプレミス型勘定奉行に証憑保管オプションを導入する場合、最低10万円/年~の追加費用がかかります。
勘定奉行クラウドであれば、証憑保管も標準機能のみで利用できるため、コストが逆転(クラウドの方が安くなる)するケースが多いです。
勘定奉行クラウドは、従来の勘定奉行i10/i11シリーズで慣れ親しんだ機能はほぼ網羅しているため、業務の電子化・効率化は現場の準備ができたテーマから段階的に進められます。
他の奉行シリーズは従来のオンプレミス型のシステム(i10/i11シリーズ)のまま、勘定奉行だけでもクラウド化することも、現実的な選択肢としておすすめしております。
勘定奉行クラウド導入の際は、IT導入補助金・デジタル化基盤導⼊類型をご利用いただけます。