レーザープリンタを知る
ここでは、日本のプリンタ市場において、インクジェットプリンタと双璧を成す「レーザープリンタ」について見ていきます。
レーザープリンタの特長
レーザープリンタの特長は、「速さ」にあると言われます。
実際に傾向として、印字速度は(原稿内容にもよりますが)インクジェットプリンタより短いケースが多いと思います。
これは、紙に画像を「印刷するための原理」の違いによるところが大きくなっています。
レーザープリンタの原理
一般的なオフィスや学校、コンビニにあるコピー機も含めて考えると、レーザープリンタを生涯一度も使ったことのない方は、ほとんどいないと思います。
しかしながら、レーザープリンタの「レーザー」とは何か?なぜレーザーで印刷ができるのか?と問われて、説明できる方。こちらもほとんどいないのではないかと思います。
レーザープリンタの印刷原理は、インクジェットプリンタに比べると、かなり複雑です。
まず、感光体(ドラム)と言われる円筒状の部品に、静電気を帯びさせます。
続いて、感光体に向けて、印刷する像の形状に合わせてレーザー光線を照射します。
すると、感光体表面の光が当たった部分だけ、静電気が消えます。
この状態の感光体に「トナー」と呼ばれる色のついた粉を振りかけると、あら不思議!レーザーを当てたところにだけ、トナーが付着します。
即ち、この時点で感光体上には、印刷される像が浮かび上がります。
ここで感光体に用紙を押し付け、トナーを転写します。
そのままでは、トナーは用紙にただ乗っているだけの状態ですので、さらに熱と圧力を加えて、用紙にしっかりと定着させます。
これで印刷完了です。
カラーレーザープリンタの場合は、上記の動作をCMYKの各色ごとに4回繰り返します。(CMYKという色を構成する要素は、インクジェットプリンタと同じです。)
最初に、感光体にレーザー光を当てるから、「レーザー」プリンタという名前が付いたんですね。
一般的なコピー機も、印刷に関しては、レーザープリンタと同じ原理です。
コピーには「光を当てて画像(原稿)を読み取る」という工程がありますが、読み取った内容を感光体にレーザー光で映し出すところからはレーザープリンタと同じ働きです。
コピー機は「スキャナ付きのレーザープリンタ」とも言えましょう。
レーザー光線の照射は全て機械の内部で起きていることですので、実際に操作する私たちからは見えません。このため、あまりピンとこないと思いますが、レーザープリンタでは、レーザーこそが画像を描き出す「起点」となる大事な役割を担っています。
そして、少しづつ紙をずらしながらインクを噴き出していくインクジェットプリンタと比べると、ドラムがぐるりと一回転するだけで紙全体に印刷できるレーザープリンタのほうが、印字スピードが速い傾向にあることは、なんとなくご理解いただけると思います。
レーザープリンタの色素・トナー
さて、トナーという言葉が出てきました。
日常レーザープリンタ(またはコピー機)を使う場所にいると「トナーが切れました」「トナーを交換してください」という表示に遭遇したことの一度や二度はあると思います。
このトナーの正体は、既に文中で触れましたが「色のついた粉」です。
正確に言うと、ごく小さなプラスチックの粒子に、顔料などの色素を付着させた粒の集まりで、一粒の大きさは5ミクロン程度。肉眼では見ることのできない小さな存在です。
普通は「カートリッジ」と言われるプラスチックのケースに大量に(何十億粒という単位で!)収められています。トナーの補給はカートリッジを入れ替えることで実施しますので、これまた実際に操作する私たちからは見えません。
しかし、運悪くコピー機が故障したので本体の蓋を開けてみると、中で真っ黒い粉(=トナー)が吹いていた!といった様子を目撃されたことがある方はいらっしゃるかもしれません。
レーザープリンタが、液体のインクではなく扱いにくい粉状のトナーを使うのは、レーザープリンタの印刷原理、すなわち感光体にレーザーを照射し、静電気の力で像を画く、という回りくどい方法を取っているからなのです。
回りくどいとは言え、レーザープリンタの技術は、インクジェットプリンタよりも早く実用化されました。
レーザーや感光体を用いた世界最初のコピー機は、1959年に米国ゼロックス社から発売され、インクジェットプリンタより25年ほど早く世に出ています。
用紙の質に、あまり左右されない
レーザープリンタは、トナーを使って印刷するため、液体のインクと違って「にじむ」という心配がありません。
これはこの方式の大きな特長であり、少々質の劣る紙であっても鮮明に印刷できます。
実際、レーザープリンタで使えるコピー用紙(PPC用紙、普通紙)とインクジェット専用紙を比べると、コピー用紙は薄くて表裏の区別がなく、表面もざらざらしています。
そして、インクジェット紙と違い、レーザープリンタは「専用用紙」のラインナップが非常に少ないです。
インクジェット紙では百花繚乱である「プロフォトペーパー」や「高品位専用紙」といった紙のグレードが、レーザープリンタ用紙にはほとんどありません。
こうしたところにも、印字結果が用紙の質にあまり左右されないという、レーザープリンタの特性が反映されています。
なお、レーザープリンタにインクジェット専用紙を通すことは避けた方が良いです。
インクジェット専用紙は、インクの定着を助けるための表面加工(塗工)が施してある場合が多いですが、レーザープリンタは仕組みとして熱によってトナーを定着させるため、塗工層が溶けてプリンタ内部に巻き込まれたり、貼りついたりなど思わぬ故障の原因になる場合があります。
レーザープリンタで利用するラベル用紙の選び方
レーザープリンタは、印字結果が用紙の質に左右されにくい性質を持ちますから、基本的には用途だけ考えて選べばよいでしょう。
宛名ラベルや内容表示ラベルなどの装飾的要素のないラベルであれば、最もサイズの選択肢が多い、普通紙ベースの「マルチタイプラベル」で十分と言えます。
商品ラベルなど、商品・パッケージの顔となるラベルの選択肢としては、マルチタイプラベルに加えて、光沢タイプやマットタイプ、和紙ラベルなどが選択肢に入ります。
いずれも表現したいイメージに沿うものを選ばれると良いでしょう。
例えば、地酒や佃煮などは「和紙ラベル」、通常品と付加価値の差をつけた商品であれば「マットタイプ」を選ぶと、薄手のマルチタイプラベルに比べて厚みがあり、手に触れた感触も含めて、高級感のある質感に仕上がります。
「触覚」は案外重大なポイントで、チープなものを高級っぽく演出したり、その逆をやったりするとちぐはぐな印象が出てしまい、いかにも素人臭くなります。
ラベルを含め、パッケージは商品の顔です。ぜひ、気を配ってください。
レーザープリンタで印刷するときのおすすめ設定
マルチタイプラベルなどの薄いラベル用紙
「普通紙」と指定します。
これで、充分に鮮明な印字結果が得られます。
カラーレーザー専用ラベル、光沢・マットタイプなどの厚いラベル用紙
「ラベル用紙」または「厚紙」と指定します。
これらの設定は、用紙送りのスピードを遅くしたり、より高い温度で圧をかけたりして、より多くの熱を用紙とトナーに伝えます。
紙が厚いと、熱の伝わりが不足してトナーの定着が甘くなり、手でこすると印字が剥がれたり、取れたりしてしまいます。
こうした症状に見舞われたときは、用紙設定が不適切なため、加熱が不足している(つまり、トナーがしっかり紙についていない)ことが多いのです。
なお、厚紙設定には、プリンタの機種により厚紙1と厚紙2…と複数の選択肢がある場合があります。
この場合は、数字が大きくなるごとに、より厚い用紙に対応できるようになっています。
ひとまず厚紙1で様子を見ましょう。
印刷後の用紙をこすってみて、トナーの定着が甘いと感じられたら、より厚い方(数字の大きい方)へ変更してみましょう。
レーザープリンタの印刷設定は項目わずか
レーザープリンタの用紙設定画面では、「光沢紙」「フォトペーパー」など、インクジェットプリンタでは当たり前の選択肢がありません。
これは、レーザープリンタではその印刷原理ゆえに、きれいに印字するためにトナーを厚く塗ったり、別の種類のトナーを使うなどの微調整は行わないからです。
このため、普通紙に「厚紙」設定で印刷しても、時間がかかるだけで印字結果の質に差はありません。
特に、マルチタイプラベルなどの薄いラベル用紙に対して「厚紙2」などの設定で印刷すると、加熱し過ぎのため機器内部でラベル剥がれが起こるなど、トラブルの遠因となりますので注意しましょう。
レーザープリンタの特性を知ろう
レーザープリンタは、インクジェットプリンタに比べると出力が安定しています。
このため、設定も単純で簡単です。
トナーを用いる際の印字特性、用紙への定着を促す「厚紙設定」について覚えておくだけでも、満足のいく印字結果が得られない際の対処の幅が広がりますので、参考にしてください。
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